新規ゼオライトについて


ゼオライトの構造は、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association)のHPで詳細な結晶情報を見る事ができ、幾何構造(トポロジー)の違いで、FTC(Framework Type Code)として分類されている。これを作成している頃でいうと、天然ゼオライトおよび合成ゼオライトを合わせて、その種類は255種類である。

代表的なゼオライトであるZSM-5を例にとってみよう。(下図) ZSM-5ゼオライトは、MFI型トポロジーとしてFTCが与えられているアルミノシリケート(Al2O3/SiO2)組成のゼオライトである。以降、同じMFI型トポロジーを持つ純シリカ組成のSilicalite-1や、チタノシリケート(TiO2/SiO2)組成のTS-1が誕生したが、分類上はMFIとされる。物質名は、新しく開発した研究者が名付けても構わないため、それぞれ名前が違う。すなわち、新規ゼオライトとは、新しいFTCを獲得した代表ゼオライトのことであり、ゼオライトの研究を行っている人たちは、是非とも欲しいと思ってしまうコードである。

MFI型トポロジー

 

MFI型トポロジーを持つ代表的なゼオライト

国際ゼオライト学会

日本ゼオライト学会

世界には新規ゼオライトの開発拠点というべき研究機関が存在する。例えば、ZSMシリーズ、MCMシリーズ、SSZシリーズを生みだしているアメリカ大手の石油会社。大学では、ITQシリーズ(スペイン)、RUBシリーズ(ドイツ)、CITシリーズ(アメリカ)、STAシリーズ(イギリス)などが世界を牽引している。一方、我が国の新規ゼオライト開発は、残念ながら圧倒的に負けている。現在、わが国では3種類のFTCがあるだけである。(下記)

我が国の新規合成ゼオライトの発表年、物質名と取得FTC

  • 2000年 GUS-1 (Gifu University molecular sieve, type one): GON
  • 2004年 CDS-1 (Cylindrically double saw-edged structure): CDO
  • 2017年 YNU-5 (Yokohama National University, type five): YFI
  • 2020年 GAM-2 (Gifu University aluminophosphate materials, type two)
  • 2020年 GAM-3 (Gifu University aluminophosphate materials, type three)

我が国では、2000年に国産初のGUS-1ゼオライトが本学から誕生しました。開発当時の先生は、その後転任し、2017年にYNU-5ゼオライトの開発に成功しています。その後、2004年に、産業技術総合研究所(東北センター)の研究グループがCDS-1ゼオライトの開発に成功しました。我々も2020年に新規ゼオライトを2種類発表しました。

気付いたでしょうか?

国内の新規合成ゼオライト、5種類中3種類は、本学の名前を持つゼオライトとなります。

そう!小村研は、新規ゼオライト合成では一目置かれているはず!と、プライドを持って研究活動をしています。